湘南移住提案

湘南(鎌倉、藤沢、逗子、葉山近辺)にみんな移住しない?('▽'*)

「湘南工房めぐり」ワークショップ、レポその2《ファブラボ鎌倉とkuluskaさんでキーホルダー作り》

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こんにちは、内田です。前回に引き続き、逗子クリエイターズのスタッフとしてお手伝いさせてもらっている「湘南工房めぐり」のレポートをしたいと思います。

気になりつつも行けていなかったファブラボと、ソトコトで大きく取り上げられていたほど話題のkuluskaさん。どちらもちょっと敷居が高いかも?と緊張していましたが、はじまるとすぐに和気あいあい、大きなテーブルを囲んで「みんなでつくる」って楽しいことだなあと肌で感じたワークショップでした。

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オーナーが直接お客さんにアピールできる時代になっていく「おうちダイレクト」と「ウチコミ!」

こんばんわ。16日から開始した「おうちダイレクト」というマンションの中古物件の売買においてオーナーとお客さんを直接つなげる新サービスが話題です。賃貸ではすでに「ウチコミ!」というサービスが順調にユーザーを増やしています。

今までお客さんに物件をアピールするのは不動産屋だったところをオーナーまたは大家さんが直接アピールできる新しい仕組みを、簡単に見ていきましょう。

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「湘南工房めぐり」ワークショップ、レポその1《ガラス工房「MARu」さんでバーナーワーク》

こんにちは、内田です。逗子クリエイターズさんの主催で今月開催している「湘南工房巡り」に参加しつつお手伝いさせてもらっており、初回のガラス工房でのバーナーワークがとても面白かったのでレポートしていきたいと思います。

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逗子クリエイターズとは

湘南逗子でクリエイティブな活動に関わる方々が繋がり合える場をつくり、「クリエイティブな力×地域活性」という新しい形を生み出そうという趣旨の団体です。

正直自分はクリエイターとは名乗りづらいですが、「クリエイティブな不動産屋さんを目指している身」としてお伺いしたところ快く迎えていただきました。

「湘南工房めぐり」とは

湘南(逗子、葉山、鎌倉)に増えている「工房」をワークショップをしながら巡り、工房の魅力を感じながら自分の作品を作ることができる企画です。

  • Aコース:2日間でそれぞれガラス工房と木工工房に行ってモビールを作る
  • Bコース:1日間でファブラボと皮工房に行ってキーホルダーを作る

の2コースがあります。

どちらもポイントは複数の工房に行けること。魅力的な工房を複数訪ねることで、湘南で生まれる作品と湘南に工房を持つ作家さんを点ではなく線で知ることができます。

Aコース1日目:ガラス工房「MARu」さん

というわけで1日目は葉山にあるガラス工房「MARu」さんにお邪魔しました。駅からバスに揺られて10分ほど、海の手前の大きな一軒家の、離れのような小さな平屋でした。

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ガラス作家の前田薫さんの工房です。コンパクトなギャラリーと作業スペース、居住スペースを兼ね備えたその平屋は全て前田さんがDIY的に改装したそうで、それはそれは大変だったそうです。

ですが言われなければわからないほど、センス良く綺麗なお部屋でした。

モビールのパーツをバーナーワークで作りました

このワークショップで完成予定のモビールはこちら。

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次回の木工工房で作る木枠と合わせてゆらゆら揺れるモビールになります。

前田さんのお手本を見せてもらい、いざ。まずは棒を溶かして潰したり曲げたりしていきます。

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左手でガラスを溶かします。ガラスは溶けて垂れていくので、常にガラス棒を回し続けている必要があるのですが、これが結構大変でした。

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溶かした先端を素早く工具で潰して模様を作ったり、素早く引っ張って飾りをつけたりしていきます。本当にこれは素早さが必要で、左手で棒を回しながら右手で工具を構えて、いっせーのーせでエイッとやるのです。左右の手をバラバラに動かすので脳みその体操みたいでした。

棒を加工したあとは風船のような球を作りました。筒状のガラス素材の膨らませたい部分だけを温めて、素早く口で息を吹き込みます。

写真にはないのですがこれが難しくて・・・結果的にこんな形に・・・

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(黒いのは冷まして保管するために煤をつけたからです)

可愛い我が子でございます。前田さんには「ラピュタ島だ!」との素敵なお言葉をいただきました。見本のように丸くはなりませんでしたが、面白い形ができて満足です。

言い訳ですが、ずっとやってると回している左手が言うことをきかなくなってくるんですよ・・・!

ガラスを加工することは重力と協力すること

吹きガラス体験でコップを作ったことはありましたが、それはほとんど息を吹き込んだだけで、回す部分はスタッフの方がやってくれました。しかし今回は先生は手を貸さずに全て自分でやらせてくれました。ラピュタ制作中は「先生、助けて・・・」とちょっと思いましたが、それでもなんとか自分で形を作り、おかげさまでガラス加工の難しさと面白さを痛感することができました。

その難しさであり面白いところは、重力に左右されること。むしろ重力を利用しているというべきでしょうか。ガラスは溶けていないと加工できませんが、溶けていれば重力に向かって垂れて行ってしまいます。その垂れを利用して丸くしたり折り曲げたり丸い形を作ったりするのです。

トロトロと重力に向かっていくガラスを回しながら丸を作っていると、なんだか重力に協力してもらっているような気がしました。そんなふうに重力を感じたのははじめてで不思議な気持ちになりました。

MARuさんではイベントなどでワークショップを出店していることもあるようなので、ぜひFacebookページをチェックしてみてください。

▶︎MARu

2015年11月22日のBコースは空席があります

残念ながらAコースは既に1日目が終了し、受付も終わっているのですがBコースのファブラボ・皮工房はまだ空席があるようです。

詳しくはこちらを参照してみてください。

▶︎★湘南工房めぐりワークショップ〜鎌倉&北鎌倉コース★ | Facebook

逗子クリエイターズについて詳しく知りたい方はこちら

▶︎逗子クリエイターズ

内田は引き続き、22日のBコース、29日のAコースにお手伝いに行く予定です。よろしくお願いします。どんなモビールになることやら♪

【鎌倉】朝晩の気持ちよさは宿泊してこそ!気軽に泊まれるゲストハウス全9軒

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こんにちは。ここ数年、相次いで鎌倉にゲストハウスがオープンし、今までなかった「気軽に泊まれる」雰囲気ができてきた気がします。

せっかく鎌倉を観光しに来るなら、断然泊まりがオススメです。日帰り観光客のいない朝晩こそ、夜風が気持ち良く、朝は鳥がさえずる、レジャーではない本当の土地の良さを感じてもらえると思うからです。

というわけで、今回は費用は抑えめに鎌倉に泊まれる、素泊まり、ゲストハウス、B&B形式のお宿を全軒紹介します。本当は厳選して「おすすめ」にしたかったのですが、どこもそれぞれ個性的な良いお宿なので選べませんでした。

だいたい一泊一人3000円〜4000円!他の旅行者や付近の住民との交流ができるお宿もありますので、自分に合ったお宿をチェックしてみてください。

IZA鎌倉(ゲストハウス)

ヨーロッパ風の雰囲気ある建物で、暖炉やウイスキー樽再利用の家具などこだわった内装が素敵。1階にあるバーラウンジは宿泊客以外の利用も可で、土曜日夜にはたこ焼きパーティを開催するなどオープンな雰囲気のゲストハウス。2013年7月オープン。経営のIZA株式会社は浅草ゲストハウス、着物レンタルも。

亀時間(ゲストハウス)

築89年の古民家を改修したゲストハウス。個室は畳、ちゃぶ台、障子とおばあちゃんちを思い出させる昔ながらのお部屋です。ドミトリーは畳に二段ベッド、押入れを改造した「ドラえもんベッド」などゆるい雰囲気が居心地良さそう。2011年4月オープン。

湘南ゲストハウス耳日

こちらも築40年の味のある民家を改造したゲストハウス。営業日は毎日、夜ごはん持ち寄り会として一人一人分のごはんを持ってくれば宿泊客・旅行者・地域住民関係なく食卓を囲む会を開催している。お部屋は昔ながらの和室で懐かしい雰囲気。繁忙期と週末のみの営業。2012年夏オープン。

材木座の住宅街のど真ん中で、まさに「鎌倉に住む」雰囲気を楽しめます。

  • 場所:鎌倉市材木座5-11-23
  • アクセス:JR「鎌倉駅」徒歩18分、バス停近く
  • 部屋タイプ:ドミトリー(女性専用あり)、個室(2・3人部屋)
  • 料金:ドミトリー1人3500円、個室1人当たり4000円〜
  • 設備:キッチンあり、洗濯機有料、wifiあり
  • 営業日20:00〜ごはん持ち寄り会
  • 公式サイト

    湘南ゲストハウス耳日

月の宿(ゲストハウス)

instagram.com

本当に駅の目の前、改札出て走ったら1分以内に到着しそうなゲストハウス。土日祝前日はドミトリーは女性専用、女性用アメニティも充実、という、男女ドミトリーでいつもちょっと気まずい思いをする女性に「すっぴんでくつろげるように」と配慮してくれています。夜の「裏鎌倉 立ち飲み巡り」など、駅前ならではの楽しいイベントも。2013年9月オープン。

鎌倉セントラルゲストハウス

海岸まで歩いて3分、と紹介した宿の中で最も海に近いと思います。もともとあった一軒家を改装したようで、木造家屋の雰囲気が良いですね。2013年春オープン。

大通りに面していて、マンションが複数立ち並ぶエリアです。

B&B くまから

全3室の和室でお布団の個室、朝食付きのB&B。二世帯住宅を改装したような感じで大きな住宅風の建物。掘りごたつや縁側など日本らしい意匠が居心地良さそうです。こだわりの野菜たっぷりの朝食もとても評判が良いです。

ゲストハウスの中で唯一の「大町」。山のふもとの住宅エリアで、緑が多く静かなエリアです。付近には地元民に愛されるスペインバルや多国籍料理屋があります。

鎌倉ゲストハウス

 鎌倉駅から遠くバスかモノレールの利用が必要ですが、暖かなホスピタリティと築47年の元料亭という純日本家屋で日本の暮らしを体験できると人気のお宿です。囲炉裏の周りには毎日ゲストが集まり、仲良く談笑しているのだとか。ドミトリーと言ってもお布団を並べて寝るスタイル、ロッカーは銭湯の靴箱風と小さなこだわりが随所にみられます。2015年で5周年。

ゲストハウス鎌倉 楽庵

instagram.com

築50年以上の古い民家を改装した和室に布団タイプのゲストハウス。現在は週末のみの営業。2015年4月オープン。

  • 場所:鎌倉市坂ノ下16−11
  • アクセス:江ノ電「長谷」駅より徒歩3分
  • 部屋タイプ:ドミトリー(男女別)
  • 料金:ドミトリー1人3000円
  • 設備:キッチンあり、シャンプー・ドライヤー無料、洗濯機有料、
  • 公式サイト

    ゲストハウス鎌倉 楽庵

Villa Sacra

築80年と言われる古民家を部屋ごとにアーティストが改装を手がけた珍しいアーティスティックなゲストハウス。テイストがそれぞれ全く異なります。朝食付きプランは近くの人気定食屋のチケットになっていて、鎌倉の朝を楽しめます。

  • 場所:鎌倉市御成町13-29
  • アクセス:JR「鎌倉駅」徒歩3分
  • 部屋タイプ:個室(2・4人部屋)
  • 料金:個室1人当たり4000円〜(朝食付きプランあり)
  • 設備:冷蔵庫・ポット・フリードリンクあり、
  • 公式サイト

    鎌倉 駅近 ゲストハウス Villa Sacra

まとめ

まさか、と思いましたが2010年頃にオープンした「鎌倉ゲストハウス」を皮切りにたったの5年間で9軒のゲストハウスがオープンしていたようです。特に世界遺産登録候補になった数年前くらいから外国人観光客が増え始め、ゲストハウスのニーズが高まったのが一因だと思います。

鎌倉のゲストハウスの雰囲気を知りたい方はこちらの外部記事がオススメです。鎌倉に限らず、ゲストハウスって何?という方にもわかりやすい記事になっています。

hamarepo.com

では、また!

 

鎌倉でお店を開きたい人の市場「YUIGAHAMARCHE」に行ってきました

9月13日(日)に開かれたYUIGAHAMARCHEに行ってきました。「鎌倉でお店を開きたい人」がお試し的に1日だけ、鎌倉の由比ヶ浜通りでマルシェ(=市場)っぽくお店を開くイベントです。

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YUIGAHAMARCHE 由比ヶ浜マルシェとは?

第一回目の今回はコーヒー屋さん、アクセサリー屋さん、お洋服屋さん、ハンドマッサージ屋さん、雑貨・アクセサリー屋さん、タイ古式マッサージ屋さんとバリエーションに富んだ6つのお店がオープン。鎌倉駅から大仏へ向かうバス通り「由比ヶ浜通り」の小さな駐車場で開かれました。木枠に布を掛けたナチュラルな雰囲気の仮設ブースに6つのお店がぎゅぎゅっと詰まって、地元の人とたまたま通りかかった観光客で賑わっていました。

マルシェ形式なのでお店の方も気さくな感じで、全体に漂うゆるくてあったかい雰囲気が楽しかったです。どのお店もオシャレで素敵だったので、いますぐにでもお店ができそう、とわたしなんかは簡単に思ってしまいます。

特に素敵で、これから人気が出そう!なお店を2つ紹介します。

こどもと大人で楽しめるウェア「MERCH」

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お洋服屋さんの「MERCH」さん。逗子の小坪でこどもと大人で楽しめるウェアを作ってらっしゃいます。遊び心がありながらもシンプルで可愛いTシャツ、ポップな柄だけど厚め生地で落ち着きあるスカート。

そのリラックス感としっかり感のバランスが絶妙で、わたしがまさに欲しいと思っていた雰囲気です。街歩きやピクニックにスニーカーで走っていける、でも可愛い、そんなイメージ。

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現在はオンラインショップを中心に販売しており、ときどきこういったイベントに出店しているそうです。

▶公式オンラインショップ MERCH

大人可愛いアクセサリー「po-em」

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植物を吊るす鉢とアクセサリーを販売している「po-em」さん。かご状に編んだ紐の中に鉢を入れて吊るすやつ(名称がわかりません…)は無骨な鉢を柔らかいものに変身させるアイテム。

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アクセサリーは流れ星のような星が控えめに輝くピアスやパールがひとつだけ揺れるピアスなど、大人が可愛さを楽しめるデザインで、とっても素敵です。ちょっと大きめで重たいところが他にはない魅力だと思いました。

現在オンラインショップを準備中とのことですが、オープンしたら即ソールドアウトしちゃうんじゃないかと心配です・・・!

▶公式オンラインショップ(準備中)poem05

趣旨は「由比ガ浜通りを盛り上げよう!」

主催のエンジョイワークスさんは由比ヶ浜通りにお店と事務所を構える不動産・家づくり企業。個性的な物件紹介に加え革新的なリノベ、コーポラティブハウスやシェアハウスをプロデュースしている、これまでの固定概念に囚われずに湘南での暮らしや家づくりを提案している会社です。

そのエンジョイワークスさんが主催した「由比ガ浜通りを盛り上げよう!会議」に集まった商店街の方や付近の住民、クリエイターなどなどから出た「鎌倉らしい個性のあるお店が、観光のお客様はもちろん地元にも愛されて長く続いてほしい」という思いから今回のYUIGAHAMARCHEを計画したそうです。

出店する側は鎌倉の雰囲気を知ることができ、わたしたちは知らないお店に出会うことができる、いいことづくめのイベントです。

何かを目指す人達のマルシェって楽しい

わたしはフリマや骨董市みたいなものが大好きなのでよく行きます。いろんなところから集まったお店だから何と出会えるかわからないワクワク感とか、お店の人と近いとか、掘り出し物を探す宝探し的な面白さとか。

でもそういうものって「骨董品」「本」「不要品」「手作り品」ってカテゴライズされてて、そこが集束地ですよね。でも、今回のYUIGAHAMARCHEは違います。「これからお店を開きたい」という思いが中心にあるから、そこから先に夢が広がっていくスタート地点のような場所なんです。出店する側はもちろん、お客さん側もこれからどうなるんだろう、気に入ったから応援したい、いつごろ来てくれるのかな、こういうお店は鎌倉に合いそうだなって夢が広がります。そのワクワクがすごく楽しい。

良いなあって思いました。

これからも月1で開催予定

このYUIGAHAMARCHEは9月、10月、11月の第2日曜に開催予定だそうで、次回は10月11日です。小さなイベントですが、期待と夢は大です。他にも由比ヶ浜通りには湘南っぽいオシャレな新しいお店が増えていますから、ぶらぶらついでに遊びに来てください。

ニュー不動産展がとっても楽しかったですレポ、その2(session2-3愛ある賃貸住宅との出逢い方)

先週末に渋谷ヒカリエで開催された「ニュー不動産展」のレポその2です。その1はこちらです。

shonan-iju.hatenablog.com

すべてのセッションはyoutubeで視聴できますので、もっと詳しく知りたい方はぜひ見てください。無料で全部観れるんですから、すごいです。「不動産をもっと楽しく!」という開催サイドの気合を感じます。

ニュー不動産展session2-3「愛ある賃貸住宅との出逢い方」

登壇者

  • 浅井 佳 氏(株式会社アールストア )
  • 林 厚見 氏(株式会社スピーク共同代表 東京R不動産
  • 村井 隆之 氏(DIYP主宰)
  • 島原 万丈 氏(HOME’S総研 所長)(モデレーター)

概要

賃貸住宅が重視すべき経営資源は「愛」なのではないか、というひとつの結論を共有する登壇者達がそれぞれ運営しているサービスについて、その理念についてや面白かったこと、そしてこれからのことについて語り合った。このセッションの公式ページにあるイントロダクションの文章がとても素敵なので引用する。

賃貸住宅は恋愛に似ている。星の数ほどある賃貸住宅からたった1つを選びとって、そこを自分の暮らしの基盤とし、24時間のうち多くの時間をそこで過ごす。寂しさに一人泣く夜も、真新しい朝も、怠惰な午後も、賃貸住宅はいつもあなたの傍らにいて、あなたを慰めてくれたり、励ましてくれたり、叱咤してくれる。

この奇跡の出会いを演出するのが、不動産仲介という仕事である。賃貸住宅に愛が存在するならば、不動産仲介にも愛を見つけることが出来るはずである。新しい切り口でその出会いを生み出している方々とともに、賃貸住宅の未来のあり方について議論していきたい。

ニュー不動産展『 愛ある賃貸住宅との出逢い方 』 | Peatix

島原氏による「愛ある賃貸住宅が必要な理由」

島原氏が2010年に発表した「愛ある賃貸住宅を求めて」というニューヨーク、ロンドン、パリ、東京の賃貸住宅生活実態調査を行った結果と分析をまとめた資料によると、日本と海外で賃貸住宅の選び方や重視する点に違いがあることがわかった。それを簡単にまとめると、(※ ここでは調査対象のニューヨーク、ロンドン、パリをまとめて「海外」と書きます)

引っ越す理由が違う

日本では進学や転勤などライフステージが変わったことで引っ越しをするが、海外ではそれ以上に、「より良い住宅に住むため」に引っ越す人が多い

その住宅を選んだ理由が違う

海外では家賃、交通の便に続いて「部屋の良さ」「建物の良さ」「好きな地域」を重視しているのに対し、日本ではそれらの重要度は低い。家賃、交通の便を重視してそれらについては妥協している、とも分析できる。

築年数に対するこだわりが違う

日本では「築浅を重視した」という50%近くがなるべく築浅の物件を探したと回答しているが、海外では2〜3割に留まっている上、「なるべく築年数の古い物件を探した」と5%前後が答えている。

そもそも一般の物件検索サイトで「駅徒歩30分以上」「築年数30年以上」という絞り込みができない

これはみんなが駅徒歩や築浅を重視するからこういう仕組みになっているのか、またはその逆なのか判断できないが、実際に物件検索サイトではエリアを指定した次の絞り込みで駅徒歩、築年数を設定するようになっている。つまり、駅徒歩30分以上、築年数30年以上の賃貸物件に価値がない・・・というわけである。

その結果・・・

賃貸住宅の満足度に関する調査で「大変満足している」と答えた割合が海外の半分以下。「愛のない」賃貸住宅になってしまっているのである。

賃貸住宅市場の悪循環

節税対策で賃貸住宅を建設するケースが多いことも一因して以下のような悪循環になっている。

新築 → 予算上質が悪く、過剰供給、消費者の不満足 → 築年数経過による商品力の低下 → 空室増加 → 収益性低下 → 取り壊して作り直し → 最初に戻る

結果として地域や土地性に関与せず同じような賃貸住宅が生まれ、ユーザーは築年数や徒歩分といった数字でしか比較できない。

このままの愛のないマーケットで良いのか?というところから「愛ある賃貸住宅との出逢い方」という今回のセッションのテーマが導かれた。

浅井氏>スタッフが良いと思う物件にNGは出さない

R-STOREという不動産のセレクトショップのような不動産仲介業を運営している。スタッフが探してきた物件はスタッフそれぞれの視点を重視して、その良さがわからないといってNGにすることはしない。逆にスタッフ自身が良いか良くないかわからない・・・という態度はNG。

林氏>おもしろい物件、「探せばあるよ」

全国規模で冒頭のような画一的な価値観ではなく、色々な意味でいいなと思う物件を集めた不動産仲介業を運営している。11年目で、今年中に京都がオープンする予定。おもしろい物件を探すことをはなから諦めていた仲間に「探せばあるよ、探して差し上げましょう」というところから出発した。

村井氏>DIY賃貸がおもしろい

改装可能な賃貸物件だけを集めた不動産紹介サイトを運営している。あまり深く考えずにやりはじめて4年経って、セルフビルド的な、建築家や設計士が綿密に計画したのではないDIYでの空間の作り方に面白さを感じている。ベッドルームの天井を黒板塗装したり、常識的にはありえないようなことも、入居者がやりたくて楽しくてやってて、アリなんだ、っていう面白さ。

買うわけじゃないから冒険できる

変な賃貸を選んではちょっと後悔して、ということを繰り返していたという林氏。どれも良い思い出だという。買うわけじゃないから、ちょっとの踏ん切りで冒険できて、後悔しても引っ越せるし、それが面白い。DIYPのユーザーにも賃貸ならではで、建築学科の学生が自宅兼実験場として借りにくる。壁の色を奇抜にして、それで数ヶ月過ごすとどうなるか?という実験をしたりしているらしい。

林氏>「愛」によって問題が軽減する

R不動産では不思議と’良い人’の入居が多く、トラブルが少ない。愛のあるオーナーさんの賃貸は稼働率も良い。資金や資源ではなくて、「愛」が問題を軽減していると言える。

村井氏>究極、家賃もいらなくなってくる

田舎には余っている家も多い。近所の掃除やおじいちゃんおばあちゃんのちょっとしたお手伝いを家賃代わりに住んで欲しいくらい。お金じゃないもので家を貸すってこともあるかも。

浅井氏>渋谷から蒲生(埼玉)へ若者が転居した

取り扱っていた物件で、渋谷から埼玉へ若者が転居した。カフェスペースや広い芝生のあるちょっと変わった物件だが、都会の若者が何を求めて転居したのか?というところに何かヒントがあるのでは。

林氏が紹介した注目の「愛ある賃貸住宅」

泰山館 −東京都目黒区東が丘 自然共存 賃貸マンション− - オーナーさんの趣味でお庭がお花畑になっている

沢田マンション - オーナーさんがセルフビルドした独創的な賃貸住宅で、ギャラリーがあったり泊まれたり畑があったり豚を飼ってたりする

メゾン青木 - 壁紙を選べる賃貸を始めたら評判を呼び、楽しい人が住みはじめ、住民どうしが見せ合ったりして仲良くなり、、、という自由で楽しい賃貸住宅

三鷹天命反転住宅 – 荒川修作+マドリン・ギンズ - 建築家と芸術家が作った見るからにおかしな住宅だけど、みんな引き寄せられて、イベントや見学会もやっている

これらは今見れば変わった賃貸だけど、この先こういった良い物件しか受け入れられなくなってくるのではないか。10年後どうなっているかわからない。賃貸か分譲かという選び方ではなくなっていく。

感想

ひとつの回答を導くような内容ではなくて、それぞれの登壇者さんがそれぞれの事例などと共に可能性について語られていて、今までの画一的な賃貸住宅から多様なものへと変容してきている、変容させていくんだという希望の広がりを感じました。

また、ストック(所有)からフロー(移り住む)へ、というのが前セッションでもこのセッションでも話題になりました。最近話題のミニマリズム(ものを持ちすぎないシンプルなライフスタイル)も同じ流れなのではないかと思います。何十年後にどうなっているかわからない時代に、早い段階で固定させるのではなくて、もっと気軽に、自由にその時その時で合ったものを選んで住めばいい。しかもそれは、今までみたいに画一的な不満足な部屋ではなくて、能動的に楽しい部屋を探すことができるのです。

「もっと不動産を楽しく!」というこのイベントのテーマに帰結し、そういう時代が来ているということでしょう。

おわりに

わたしはまだ不動産の仕事をしたこともないからわかっていない大変さとか難しさがたくさんあってそんな簡単なことではないのだろうけれど、こんなふうにわくわくしたのは久しぶりのことで、とっても楽しかったです。

実は、このイベントに気付いたのが2日目の正午くらいで、危なく見過ごすところだったのを気づいた瞬間に「これだ!!!」と思ってすぐにチケットを買って、着替えて、ヒカリエに飛び込みました。自分の嗅覚を褒めたいです・・・と言いたいところですが、だったら開催前に気づけよ、と思うので今回は褒められません。でも本当に行ってよかった。楽しかった。それは多分、登壇者のみなさんが楽しそうだったからだと思います。このセッションの中でも、1分に一回は誰かが「面白い」って言ってた気がするくらいです。

わたしも、楽しく生きて、楽しいを生み出す人になりたいと思いました。

ちなみに

セッションの最後の質問タイムで「不動産屋さんになりたいんです」と質問したのはこの紛れもない内田です。あんまり楽しかったので調子に乗って変な質問してしまい、すみませんでした。優しくお答え頂いた島原さん、浅井さん、林さん、村井さん、ありがとうございました。

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話題に上がったシェアハウス、サービスなど

ニュー不動産展がとっても楽しかったですレポ、その1(session2-2シェア、最近どう?)

 

先週末、渋谷ヒカリエの8階のイベントスペースで開催されたニュー不動産展の2日目に参加してきました。不動産に関するイベントに参加するのは初めてでしたが、不動産のこれからの希望にあふれていてとってもわくわくしました。参加したセッションでわたしが面白いと思ったことをセッションごとにまとめたいと思います。

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ニュー不動産展とは?

その名のとおり、新しい不動産メディアやサービスについての切り口や視点、可能性や目指す将来について2日間にわたって6つのテーマのトークセッションを開催する今回が初めてのイベントでした。「もっと不動産を楽しむきっかけをつくる!」をモットーに、いままでお堅いイメージだった不動産に新しくて楽しい風を吹き込み、みんなで考えていこう、という趣旨だそうです。今後毎年の開催を予定しているとのこと。

各トークセッションはすべてこちらから視聴可能です。

www.youtube.com

公式サイトはこちらです。

new-fudosan.net

ニュー不動産展session2-2「シェア、最近どう?」

登壇者

  • 土山広志 氏(株式会社リビタ)
  • 露木圭 氏(株式会社コプラス)
  • 三渕卓 氏(東京急行電鉄株式会社)
  • 北川大祐 氏(モデレーター)(株式会社ひつじインキュベーション・スクエア)

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youtubeから転載

概要

一般に認知されてしばらく経ち、珍しいものでなくなってきたシェアハウス。実際に企画・運営している側の土山氏、露木氏、まちづくりというもう一方の観点から企画している露木氏が感じている面白さや難しさ、変化などをシェアハウス専門の紹介サイトを運営する北川氏がモデレーターとして深堀していく。最近、どう?から導かれる、これから、どうする?に希望と可能性が光っていた。

コミュニティ大好き、友達たくさん、って人ばかりではなくなってきた

まず「最近、どう?」という問いに対して見出しのような意見がでた。初期のシェアハウスではコミュニティや友達との関わり合いが好きで、帰ったらシェアメイトがいて、毎日話しをして、という理想を求めている入居者が大半だったけれど、最近は裾野が広がってきていろいろなタイプのシェアハウスが出てきた結果、関わりたい時だけ関われる、必要な時に近くにいる、といったゆるいつながりのようなタイプのシェアハウスも人気がある。コプラスが運営する「クルム浜田山」はファミリー向けでコモンルーム・中庭が主なシェア部分というほとんど賃貸物件のようなシェアハウスだが、それでも入居者同士の顔が見える、転じて運営側と入居者もお互い顔が見えるという点で一般の賃貸にはない良い関係の住まいになっている。

シェアハウスに住む人の平均年齢が上がってきている

裾野が広がってきた結果はデータにも表れていて、シェアハウスに住んでいる人のアンケートデータを見るとフリーターや自営業の割合が若干減少して正社員の割合が上がっている。そのためか、平均年齢も上がっている。特にクルム浜田山のようなゆるめのシェアハウスには子供が巣立ったタイミングで移住を検討している熟年の夫婦からの問い合わせや仕事のオフィスとして面白そう、といって検討してくる方もいる。

これからはシェアハウス×◯◯

東急電鉄ではシングルペアレンツに主体として支援がついているシェアハウスやこだわりのキッチンが使える「食×シェアハウス」、保育園が同居している「保育園×シェアハウス」など特性を持ったシェアハウスをすでに複数世に送り出している。

シェアハウスのこれから、どうする?

三渕氏>上記の掛け合わせシェアハウスの発展版として複数の要素(ゲストハウス、医療や介護、アーティストなど)を掛け算していくことでさらに楽しくなる

露木氏>自身がマイホームを建ててから感じていることもふまえ、三渕さんの語るような特性のある住居を家庭や仕事の事情でフロー、つまり移り住んで行くほうが世の中に求められてくるのでは、そういう賃貸に住むほうが面白いんじゃないか。だから、上の世代が住めるシェアハウスを作っていきたい

土山氏>シェアハウスから発展した何かをシェアするという思想が「シェアコミュニティ」という新しいシェアの形を作り始めている。すでにシェア型国際交流寮や複合型企業寮、街のシェアスペースが誕生している。

北川氏>シェアハウス業界を牽引してきた立場からマーケティングメッセージの調整をしていきたい、もっと地味な方向に進んでいきたい。先行してしまっているイメージ「友達が多くて、元気で、注目を浴びて、、、」を減らしていってもっと普通の人に普通にシェアハウスに住んでもらいたい。実際に長くシェアハウスに住んでいる人は普通の、一見おとなしそうな方が多い。

感想など

シェアハウスはわたしの中ではゲストハウスの延長線上にあり、ゲストハウスもそうですがだいたい若者が多いイメージでした。ですが、今回のこのセッションではその次の段階に来ていて、子育て世代や子育てを卒業した親世代や子供を持たない独身サラリーマンなど上の年代の方もシェアハウスを選ぶことで楽しい生活が送れるのでは、それこそが今の時代に望まれているかたちなのでは、ということで可能性どころか必然性を感じました。考えてみれば老人ホームもシェアハウスですね。

全員が常にシェアハウスに住むようになる、ということではなくて年齢や家庭事情に応じて住んだり住まなかったりということが気軽に選べる、特別なことではなくなるようになると楽しいなと思いました。

話題に上がったシェアハウス、サービスなど

ここにセッションの中で話にでたシェアハウスやサービスのリンクを貼っておきます。

シェアハウス

サービス、その他